青色申告について

青色申告とは?

大戦後、戦災からの経済復興は壊滅的な打撃を受けた企業の再生からです。特にわたしたちの国の企業の大半は中小企業ですからその立ち直り、繁栄が不可欠となります。当時、中小企業に複式簿記の普及はあまり進んでいませんでした。このことは中小企業繁栄の妨げとなることが明白でした。一方、課税庁側を推測すると、前述した所得課税中心の租税体系の下での税収確保には、帳簿が無いのですから支障をきたしたことは容易に想像できます。

 

そんな中登場したのが、昭和24年にシャウプ勧告により創設された青色申告制度です。この制度は納税者自ら誠実な記帳義務を履行することを宣言し、国がこれに特典を与えることを約束する制度です。この様な宣言を求めることは複式簿記といえども仮装も隠蔽も出来なくは無いからです。勿論、誠実な記帳義務を履行しなかった場合、特典も取り消されることはいうまでもありません。飴と鞭の政策は功を奏し、青色申告は普及していきました。それとともに中小企業に複式簿記は定着して行ったのです。

 

 

青色申告の主な特典

1. 少額減価償却資産
30万円未満の少額減価償却資産を全額必要経費に算入することができる。
2. 青色事業専従者給与
事業主と生計を一にする配偶者や親族で、事業に従事している人へ支給した給与を全額必要経費に算入することができる。
3. 青色申告特別控除
期限内に損益計算書と貸借対照表を確定申告書に添付して提出すると、55万円の特別控除が受けられる。
※65万円控除の適用を受けるには、e-taxで申告又は、電子帳簿で仕訳帳・総勘定元帳を保存すること。
4. その他の特典
更正の制限・更正の理由附記・更正に対する不服申立ての場合の再調査の請求と審査請求の選択をすることができる。

 

パソコン会計で青色申告

最近では簡単なパソコン用会計ソフトが多数販売されており、日々の入力から必要書類を自動的に作成してくれます。