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複式簿記について

複式簿記とは?

企業の営利を財産の増減変化だけに着目して、簿記では財産に増減変化を及ぼす事柄を「取引」と呼びこれだけを記帳することにしました。財産の増減変化のみを記帳すれば良いのですから少し欲張って「変化の原因」は何なのか、その「変化の結果」はどうなったのか、二元論で捉えることにしたのです。これが企業を理解するのに最も便利だったからです。このように「一つの事柄を二つに分けて」記帳することからこの方法を「複式簿記」と呼ぶようになったのです。

 

 

簿記は経営の近代兵器

明治維新の開国前後どっと西洋文明が入ってきました。機械や様々な生活用品や西洋近代兵器などです。その中の一つに複式簿記がありました。福沢諭吉の「帳合いの法」はご存知の方も多いと思いますが、これが日本の最初の簿記書の発刊といわれています。企業経営は、その達人にとっては勘や頭の中の計算や旧式の大福帳でも出来ないことはありません。幕末、あたかも剣豪達が近代兵器にたじろがず己の剣を信じ戦に挑んで見せたようにです。しかし、私達凡庸な経営者の企業には複式簿記は欠かすことは出来ません。なぜなら企業が生み出す利益は、小規模企業も大規模企業も規模に関係なく全く同じ計算方式によって計算し、勘や頭の中の計算や旧式の大福帳、どんぶり勘定で把握出来るような代物ではないのです。最近、私たちの社会は様々な業種において次々と、規制が緩和され激烈な競争に曝されています。今時、複式簿記を採用していない経営は近代兵器で武装した敵陣に、刀で立ち向かっているようなものなのです。

 

ところで、経営に記帳が、ことに複式簿記が有効であることが分かっていてもなかなか実施に移せないものです。また、経営に有効だということを教えてくれる機関や役所もないのが現状です。

 

 

所得課税の長所・短所

長い間、税負担は所得税や法人税といった所得課税に偏っていました。未成熟な経済社会にあっては所得に税負担を求めることが合理的だと考えられていたからです。また、経済が急成長する場合、業種によって成長の速度が異なりますから、発展の度合いによって所得に格差が生じます。この結果、国民の間に貧富の差が開いていきます。所得課税は所得の再分配機能が有りますから、ある程度貧富の是正が出来る優れた制度とされています。しかしながら、所得課税にも大きな欠点があります。企業が生み出す利益を簡単に計算出来ないように、課税標準である所得もまた簡単には計算出来ないということです。また、所得は隠蔽や仮装が容易であることなどです。