事務所からのお知らせ

岐阜現地視察へ行って来ました。(2014/9/4~9/6)

お知らせ

全国農業経営コンサルタント協会の毎年恒例行事、現地視察へ行ってきました。 今年は岐阜県でした。視察で訪れた先をご紹介します。

 

 

岐阜花き流通センター農業協同組合(本巣市)

ミニバラなどの鉢物生産者が組合員であり、出荷と資材の購買事業を行う。生産者と組合間では台車による運搬(2,700台保有)を行っており、1台当たり40ケースの積載が可能で、年間137万ケースを出荷しています。組合設立時の出荷量が全国11位だった岐阜は、今では愛知、埼玉についで3位だそうです。現在の組合員数は140名、沖縄県を除く全国59市場に出荷しており、当組合があるおかげで、生産者は生産に集中できるとのこと。

 

         

農事組合法人 セントラルローズナーセリー(生産会社)
有限会社 セントラルローズ(販売会社)(本巣市)

ミニバラの生産と販売を行っている会社で、ミニバラの生産は全国シェア30%を誇り日本一で、年間200万鉢のミニバラを出荷している。平成13年には農林水産祭天皇杯を受賞。ミニバラは挿木から2週間で発根し、10~12週間で販売になる。生産には、ハウス内のレールの上をバラ苗台が作業工程ごとに動くムービングベンチシステムを利用しており、冬期などはナトリウムライトの使用、栽培用土はピートモスと呼ばれる土をリトアニアから輸入するなど工場のようでした。上記の花き流通センターへの出荷だけでなく、自身の販売会社に出荷するほか、インターネットによる通信販売も行う。香港に輸出もしていますが、花の楽しみ方の文化が違う為、文化から輸出しなければならないと考えているそうです。

 

 

わかば農園 株式会社(岐阜市)

刺身用のツマを主力としたカット野菜の栽培・生産・加工を行っており、株式会社としては岐阜県初の農業生産法人。平成21年に敷地面積4,000坪の新工場が完成し、工場の2階(屋上)には天空の畑と呼ばれる温室でルッコラなどのベビーリーフを水耕栽培により生産していました。研修初日の最終視察先であったため、ツマの加工時間が終了しており、特許も取得している機械の稼働を見学できなかったのは残念でした。

 

  

株式会社 銀の森コーポレーション
恵那銀の森(恵那市)

豆腐屋から加工食品事業へと展開し、現在では急速冷凍機を購入し、冷凍食品や冷凍おせちの製造も手掛ける。冷凍おせちは高島屋などにも卸しており、シェアは全国でも有数。3年前に自社工場周辺の森を切り開き、和洋菓子店、日本料理屋、洋食レストランが点在する総合公園施設も運営している。年間来場者数は恵那市発表で初年度が40万人、昨年度が48万人と人気も上々のようです。

 

  

 

 

株式会社 恵那川上屋(和菓子製造・販売)
有限会社 恵那栗(栗の生産)(恵那市)

地元産の栗「恵那栗」を使用した和菓子の製造・販売をしている。地元の栗は生産者の減少などにより一時は衰退してしまっていましたが、地域ブランドとしての確立・生産農家の強化も含めて、農家と協力し恵那栗の生産にも携わっている。社長のお話では、今後は恵那栗だけでなく、全国7ヵ所に加工場を建設し、産地ごとにブランディング化し、付加価値をつけ販売することを構想中で、1社(一人)が儲かるのではなく、生産・加工・流通・販売全てにおいて効率化を考えなければとのことでした。

       

 

株式会社 サラダコスモ(もやし・スプラウト野菜の生産、ちこり村の運営)
株式会社 なっちゃん(ちこり村内バーバーズダイニング運営)(中津川市)

業界初の無漂白・無添加のもやしを生産・販売した会社で、現在はカイワレ大根等のスプラウト野菜の他に、ちこりと呼ばれる西洋野菜の生産も行っている。ちこりとは肥培した株(芋)から出た芽を冷暗室で栽培して出来るもので、葉をサラダなどの食用にする。当社では葉だけでなく、芋からは焼酎を製造しており、自社工場にはちこり村という観光施設も併設し、そこの運営も行っている。ちこり村ではちこりの生産過程やちこり焼酎蔵の見学も出来、施設内にはちこりを使用したビュッフェスタイルのレストラン「バーバーズダイニング」もあり連日賑わっているようです。

 

 

落合土建 株式会社(水稲・野菜・栗の生産、販売)(中津川市)

 公共工事を中心に土木工事業をされていますが、公共工事の減少と近隣の耕作放棄地の拡大に伴い、耕作放棄地を取得し、自前の機材と土建技術を活かし田畑を再生し、水稲・野菜・栗を有機農法で栽培している。生産された野菜などは朝市や特産館、道の駅で販売しており人気を博しているとのこと。

 

 

以上、岐阜現地視察のご紹介でした。今回の訪問先は生産から加工・販売まで自社で一貫している大規模な生産者が多く、工場の様な野菜生産、花き生産現場を見学でき普段目にしている露地野菜、酪農・畜産とは違い大変勉強になりました。また、どの訪問先の社長様も農業、6次産業に対しての熱意と展望が明確で、良い刺激になるとともに農業に対してより一層理解を深められました。