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贈与税申告

税金の体系とはいかにして国民から税金を漏れなく取るかの体系であると言ってよいでしょう。言い換えれば税金は相互に補完の課税関係にあると言うことが出来るかもしれません。贈与税は、この税目間の補完関係の典型税目です。

 

補完関係を説明する前に、概ねの税金は所得税に還元することが出来ることを見ておきます。国民の所得は抜群の担税力を持つということが分かります。結論を先に言いますと、結局国の税負担は国民の稼ぎから成り立っているということです。

 

先ず、所得税法には、相続や贈与によって取得したものには所得税を課さない旨の規定を置いています。これは、相続や贈与によるものの取得は本来《所得》として、所得税を課すべきところ相続税や贈与税を課しているので所得税では非課税にする意味です。

 

次いで、法人税についてですが、我が国の法人税は、法人擬制説に基づく税制と言われ、法人と株主に別個に課税することは二重課税になるので調整すべきとされています。所得税の配当控除制度や法人税の留保金課税はこの説に基づくものです。これの意味するところは、法人税も結果的には所得税に還元できると言うことです。言い換えれば、法人税は個人に帰属する前に仮に納めて置く所得税の前払いです。これも、補完関係にあると言えます。

 

続いて、消費税です。今まで説明したのは、所得を上げる方の話でした。では、人は何のために汗水流して金を稼ぐのでしょうか。それは他でもなくその稼いだお金で生活するためです。衣料、食料、住居や子供の教育は稼いだもので賄います。所得税は稼いだそのことに着目して税金をかけます。一方、消費税は、稼得した所得を消費するところに課税します。消費税は文字通り消費に課税するのですが、視点を少し変えれば、所得が消費の時点までずれただけの所得税の後払いと見ることが出来ます。

 

最後に、保有に対する課税が抜けていますのでこれを追加してこの話は終わりにします。そもそも、資産はなぜ生ずるのでしょうか?答えは簡単です。それは「稼得した所得」より「消費した所得」の方が少ないからです。相続税はこの消費しきれなかった所得を保有するところに課税する税金です。消費しきれない所得は「資産に変身」しますから、消費しきれない資産を無くせば、相続税は課税されません。先ずは、せっせと消費することです。しかし、消費には消費税がかかりますから、これまた、税金から逃れることは出来ません。そこで次は、贈与ということになります。さて、贈与は無税でしたか、いやいや贈与税が有ります。この様な税金の仕組みを補完税制度と言いますが、贈与税は最もわかりやすい補完税です。繰り返しになりますが、それぞれの税目は所得税に還元できますが、税目ごとに、課税のステージが違います。この様にトータルで税金を見直してみることも節税の上では大切な事ではないでしょうか。

 

当事務所のお客様の全て、一件も残らず、一円でも安い税金を目指すことはもとより、「安心」がお届け出来ることを職員一同願っております。

 

 

今西 孝徳
Takanori Imanishi